レズロック錠 安全性薬理試験及び毒性試験

安全性薬理試験及び毒性試験

本項では特記しない限りベルモスジルメシル酸塩を使用し、投与量及び濃度はベルモスジル(遊離塩基)換算値を表記した。

安全性薬理試験1)

試験項目 動物種/系統
(n数/群)
用量/投与方法
(試験法)
結果
中枢神経系 ラット/Sprague-Dawley
(雌雄各6例/群)
0、50、175及び350mg/kg /単回経口投与
(Irwin変法)
350mg/kg群の雄で自発活動量減少、同群雌で体温低下がそれぞれ一過性にみられた。
心血管系 hERG導入HEK293細胞 0.3~2.5μmol/L(in vitro IC50:0.59μmol/L(272ng/mL)
イヌ/ビーグル
(雌雄各4例/群)
0、25、75及び150mg/kg/単回経口投与(テレメトリー法) 心電図に異常なし。150mg/kg群の雌で、収縮期血圧、拡張期血圧及び平均動脈圧が対照群のベースラインからの変化量と比較してそれぞれ最大15、11及び11mmHgの低下がみられた。
呼吸系 ラット/Sprague-Dawley
(雌雄各8例/群)
0、50、175及び350mg/kg/単回経口投与(プレチスモグラフィ法) 初回試験では175mg/kg以上の群で分時換気量の低下、350mg/kgの雄で呼吸数及び一回換気量の低下がみられたが、確認試験では再現性は認められなかった。

毒性試験2)

本項におけるin vivo試験における投与経路は、いずれも経口投与である。

(1)単回投与毒性試験

動物種/系統
(n数/群)
投与量
(mg/kg)
概略の致死量
(mg/kg)
ラット/Sprague-Dawley
(雌雄各5例/群)
100、200及び300※1
200、400及び600※2
最小致死量 600

※1 ベルモスジルトリフルオロ酢酸塩を使用した。
※2 ベルモスジル塩酸塩を使用した。

(2)反復投与毒性試験

ラット及びイヌを用い、それぞれ最長26週間及び39週間の経口反復投与毒性試験を実施した。各試験でみられた毒性所見を表に示す。その他に、摂餌量減少、体重増加抑制及び体重減少の二次的な影響と考えられる変化として精巣の萎縮や子宮重量の減少等の生殖器の変化がみられ、ストレスの二次的な影響と考えられる変化として胸腺に重量低下を伴うリンパ球減少等の変化がみられた。また、造血系に再生性の変化(網状赤血球の増加等)を伴う赤血球数の減少、ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値の低下、肝臓に重量増加を伴う肝細胞肥大、腎臓の近位尿細管に好塩基性変化及び褐色色素沈着がみられたが、その変化の程度、病理組織学的な傷害性変化の有無、回復性等から、毒性所見と判断しなかった。

動物種/系統
(n数/群)
投与期間 投与量
(mg/kg/日)
無毒性量
(mg/kg/日)
毒性所見
ラット/Sprague-Dawley
(雌雄各10例/群)
4週間
+回復2週間
0、50、150及び375 150 375mg/kg/日:
  • ・死亡1例(雌、11日)、安楽死1例(雌、21日)
  • ・投与初期に摂餌量減少及び体重減少
ラット/Sprague-Dawley
(雌雄各10例/群)
13又は 26週間 +回復4週間 0、50、125及び275 雌:125
雄:275
275mg/kg/日:
  • ・死亡1例(雌、85日目)
  • ・死亡1例(雌、159日目)
イヌ/ビーグル
(雌雄各4例/群)
4週間
+回復2週間
0、25、75及び
200/125※1
75 200mg/kg/日:
  • ・摂餌量及び体重の減少
200/125mg/kg/日:
  • ・嘔吐、削痩及び皮膚蒼白、皮膚の弾性消失、自発運動低下、虚脱(雌)
  • ・ALP、GGT、総ビリルビン増加(雌雄各1例)、肝重量増加、極軽度~軽度胆汁うっ滞、肝細胞空胞化、クッパー細胞の色素沈着、極軽度胆管過形成(雄1例)
イヌ/ビーグル
(0、35、70mg/kg/日群:雌雄各5例/群、125mg/kg/日群:雌雄各2例/群)
13週間
+回復4週間
0、35、70及び125※2 35 70mg/kg/日:
  • ・投与3~4週間まで摂餌量減少、投与2週間まで体重減少、その後体重増加抑制
  • ・極軽度~軽度の小葉中心性胆汁うっ滞、単核細胞浸潤、中等度の小葉中心性肝細胞萎縮、肝重量増加
125mg/kg/日:
  • ・安楽死2例(雄)
  • ・摂餌量減少及び体重減少
  • ・嘔吐、削痩
イヌ/(ビーグル)
雌雄各4例/群
13又は39週間
+回復4又は8週間
0、5、20及び40 40 毒性変化は認められなかった。
  • ※1 200/125mg/kg/日群では、200mg/kg/日の投与により摂餌量及び体重の減少がみられ、投与8日目以降に補食等の処置を施したが、体重減少が継続したことから投与15日から4日間休薬し、投与19日から125mg/kg/日に減量して投与を再開した。
  • ※2 125mg/kg/日群は、瀕死例がみられたことから投与20日(雌)又は投与21日(雄)に投与を中止し、生存例は30日間休薬後、雌雄各2例のみ剖検、臓器重量測定及び病理組織学的検査を実施した。

(3)遺伝毒性試験

ネズミチフス菌(TA98、TA100、TA1535、TA1537)及び大腸菌(WP2 uvrA)を用いた復帰突然変異試験(ベルモスジル濃度15~5000μg/plate)、ヒト末梢血リンパ球を用いたin vitro染色体異常試験(ベルモスジル濃度3.13~250μg/mL)及びラットを用いたin vivo骨髄小核試験(ベルモスジル0、500、1000及び2000mg/kg単回経口投与)において、ベルモスジルは遺伝毒性を示さなかった。

(4)がん原性試験

該当資料なし

(5)生殖発生毒性試験

1)ラットを用いた受胎能及び初期胚発生に関する試験
ラット(Sprague-Dawley系、雌雄各25例/群)に、ベルモスジル0、50、150及び275mg/kg/日を、雄は交配開始70日前から交配期間及び妊娠13日の剖検まで、雌は交配開始14日前から妊娠7日まで反復経口投与した。なお、雄は各用量を70日間投与に続く77日間休薬後に非処置の雌と交配させ、妊娠13日目に剖検する回復群(各10例/群)を設けた。その結果、275mg/kg/日群で削痩及び糞の減少、無排泄又は変色がみられた。これに関連して、150及び275mg/kg/日を投与した雌雄で摂餌量の減少を伴う体重増加抑制及び投与期間中の体重低値がみられた。275mg/kg/日を投与した雄で授胎能の低下、精子異常(運動能低下、精子数/濃度の減少、形態異常精子数の増加)及び雄性生殖器の変化(精巣及び精巣上体の重量低下を伴う小型化、精巣の萎縮、精巣上体内腔の細胞残屑)がみられた。雄回復群では、授胎能の低下及び関連する精子並びに生殖器の変化は休薬による回復性が認められた。また、275mg/kg/日群の雄と交配した非処置群の雌では、非妊娠動物の増加並びに平均着床数及び平均生存胎児数の減少がみられ、精子の異常と関連する変化と考えられた。親動物に対する無毒性量は雌雄ともに50mg/kg/日、受胎能に対する無毒性量は雄で150mg/kg/日、雌で275mg/kg/日、初期胚発生に対する無毒性量は150mg/kg/日と考えられた。

2)ラットを用いた胚・胎児発生に関する試験
妊娠ラット(Sprague-Dawley系、各25例/群)に、ベルモスジル0、15、50及び150mg/kg/日を妊娠6日から妊娠17日まで反復経口投与した。その結果、50及び150mg/kg/日群において母動物の摂餌量減少及び体重増加抑制がみられ、150mg/kg/日群では胎児体重の低値がみられた。ラットの母動物に対する無毒性量は15mg/kg/日、ラット胚・胎児発生に対する無毒性量は50mg/kg/日であった。

3)ウサギを用いた胚・胎児発生に関する試験
妊娠ウサギ(NZW、各23例/群)に、ベルモスジル0、50、125及び225mg/kg/日を、妊娠6日から妊娠18日まで反復経口投与した。その結果、225mg/kg/日群の1例で死亡、125及び225mg/kg/日群の各1例で流産がみられた。母動物では、125mg/kg/日以上の群で摂餌量減少及び体重減少がみられ、225mg/kg/日群の2例で全胚吸収がみられた。また、125mg/kg/日以上の群で着床後胚損失率の上昇、生存胎児数の減少、生存同腹仔数の減少、225mg/kg/日群では平均胎児体重の低値及び催奇形性(尾の欠損、肋骨の分岐、癒合又は形態異常、胸骨分節の癒合並びに神経弓の癒合、配列異常及び形態異常)も認められたことから、ウサギの母動物及び胚・胎児発生に対する無毒性量はいずれも50mg/kg/日であった。

(6)局所刺激性試験

該当資料なし

(7)その他の特殊毒性

光毒性試験
3T3細胞を用いたニュートラルレッド取り込み法によるin vitro光毒性試験において、ベルモスジルの平均光作用(MPE)値は2回のアッセイでそれぞれ0.243及び0.344となり、MPE値が0.15を上回ったことからベルモスジルのin vitro光毒性は陽性と判断した。

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