レズロック錠 薬物動態

薬物動態

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本項ではベルモスジルメシル酸塩242.5mg(ベルモスジルとして200mg)をレズロック200mg として表記した。

血漿中濃度

(1)反復投与(健康成人)1)

日本人健康成人男性にレズロックを7日間、200mg1日1回、200mg1日2回又は400mg1日1回食後に反復経口投与したときの血漿中ベルモスジルの濃度推移及び薬物動態パラメータは、以下のとおりであった(本ページでは図表の掲載はなし)。
なお、200mgを1日1回又は1日2回7日間投与したときの投与7日目の血漿中濃度はいずれも投与後2.0時間(中央値)にCmaxに到達し、t1/2( 平均値)はそれぞれ6.4時間、6.7時間であった。Cmax( 平均値)はそれぞれ2623ng/mL、3130ng/mL、AUC(平均値)はそれぞれ12610ng・hr/mL、14190ng・hr/mLであり、トラフ値は投与3日目以降でほぼ一定の値を示し、定常状態となった。


  • 【対象】日本人健康成人男性18例
  • 【方法】レズロックを7日間、200mg1日1回、200mg1日2回又は400mg1日1回、通常食摂取後5分に反復経口投与(ただし、200mg1日2回の第7日は朝1回のみ投与)したときの血漿中ベルモスジル濃度を経時的に測定した。

※ 用法・用量外

(2)慢性GVHD患者における薬物動態(外国人データ)2)

外国人慢性GVHD患者にレズロック200mgを食事中又は食後に単回又は1日1回、1日2回反復経口投与したとき、投与1日目及び投与29日目の薬物動態パラメータは以下のとおりであり、血漿中ベルモスジル濃度におけるtmax(中央値)は、1日1回投与ではそれぞれ投与後2.9時間、2.0時間、1日2回投与ではそれぞれ投与後4.0時間、1.3時間であった。

投与1日目及び29日目の血漿中ベルモスジルの薬物動態パラメータ

薬物動態パラメータ 200mg1日1回 200mg1日2回
tmax(hr) 1日目 2.9(1.1,6.0)(5) 4.0(1.2,7.8)(5)
29日目 2.0(1.9,2.1)(4) 1.3(1.0,4.0)(4)
Cmax(ng/mL) 1日目 1890±1570(5) 1390±1270(5)
29日目 2510±1920(4) 2560±1720(4)
AUC(ng・hr/mL) 1日目 12400±11600(4) 15000、7700(2例の個別値)
29日目 14700±12900(4) 6100(1例の個別値)

平均値±SD(n)、tmaxは中央値(最小値, 最大値)
AUC:1日1回投与はAUC0-24hr、1日2回投与はAUC0-12hr


  • 【対象】ステロイド依存性又は抵抗性の外国人慢性GVHD患者10例
  • 【方法】海外第Ⅱ相試験(KD025-213試験:ROCKstar試験)における副次目的として、慢性GVHD患者におけるレズロックの薬物動態を評価した。1サイクル28日とし、レズロック200mgを1日1回又は1日2回、朝/夕の食事中又は食後5分以内に反復経口投与した。サイクル1の第1日(1日目)とサイクル2の第1日(29日目)の投与12時間後まで採血を行った。

※ 用法・用量外

(3)食事の影響(健康成人)3)

日本人健康成人男性にレズロック200mgを食後5分又は30分に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する幾何平均値の比[90%信頼区間]は、Cmaxではそれぞれ1.95[1.55, 2.46]、2.50[1.99, 3.16]、AUC0-∞ではそれぞれ2.08[1.64, 2.64]、2.19[1.73, 2.78]であり、空腹時投与に比べ約2倍であった。食後30分に投与したときのCmax及びAUC0-∞は、食後5分投与に比べ、Cmaxは1.28倍であったが、AUC0-∞は1.05倍であった。

血漿中ベルモスジル濃度の推移

血漿中ベルモスジルの薬物動態パラメータ

食事条件 n Cmax
(ng/mL)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
空腹時投与に対する幾何平均値の比
[90%信頼区間]
Cmax AUC0-∞
空腹時 18 1251±450 6511±2693
食後5分投与 18 2572±629 12430±3615 1.95
[1.55, 2.46]
2.08
[1.64, 2.64]
食後30分投与 18 2711±481 12110±2700 2.50
[1.99, 3.16]
2.19
[1.73, 2.78]

平均値±SD


  • 【対象】日本人健康成人男性18例
  • 【方法】レズロック200mgを3期クロスオーバー法により空腹時、通常食摂取後5分又は30分に単回経口投与したときの血漿中ベルモスジル濃度を経時的に測定した。

(4)肝機能障害患者における薬物動態(外国人データ)4)

肝機能正常者、軽度肝機能低下者(Child-Pugh A)、中等度肝機能低下者(Child-Pugh B)及び重度肝機能低下者(Child-Pugh C)を対象にレズロック200mgを食後に単回経口投与したとき、肝機能正常者に対するCmax及びAUC0-∞の最小二乗幾何平均値の比[90%信頼区間]は、軽度肝機能低下者ではそれぞれ1.20[0.91, 1.58]、1.36[ 0.83, 2.21]、中等度肝機能低下者ではそれぞれ0.944[0.60, 1.48]、1.51[0.98, 2.33]、重度肝機能低下者ではそれぞれ1.32[0.90, 1.94]、4.21[2.20, 8.06]であった。


  • 【対象】肝機能正常者14例、軽度肝機能低下者(Child-Pugh A:スコア5~6)8例、中等度肝機能低下者(Child-Pugh B:スコア7~9)8例及び重度肝機能低下者(Child-Pugh C:スコア10~14)6例
  • 【方法】レズロック200mgを食後に単回経口投与し、薬物動態パラメータを検討した。
  • 4. 効能・効果
    造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)
  • 6. 用法・用量
    通常、成人及び12歳以上の小児にはベルモスジルとして200mgを1日1回食後に経口投与する。併用薬に応じて、効果不十分な場合に1回200mg1日2回投与に増量できる。
  • 7. 用法・用量に関連する注意
  • 7.1 食後投与に比べて空腹時投与で本剤のCmax及びAUCが低下するため、本剤は食後に服用すること。[16.2.1 参照]
  • 7.2 プロトンポンプ阻害剤又は強いCYP3A4誘導剤との併用により、本剤の血中濃度が低下する可能性があるため、これらの薬剤を併用する場合は患者の状態に注意し、本剤の効果が不十分な場合には、本剤を1回200mg1日2回投与に増量することを考慮すること。[10.2、16.7.1-16.7.3 参照]
  • 8. 重要な基本的注意(一部抜粋)
  • 8.2 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を実施すること。
  • 9. 特定の背景を有する患者に関する注意(一部抜粋)
  • 9.3 肝機能障害患者
  • 9.3.1 重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者
    可能な限り投与を避けること。やむを得ず投与する場合には、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.1 参照]

吸収

絶対的バイオアベイラビリティ(外国人データ)5)

外国人健康成人男性5例に[14C]ベルモスジル溶液100μgを単回静脈内投与(15分点滴投与)及びレズロック200mgを食後に単回経口投与したときのAUC0-infから算出した絶対的バイオアベイラビリティは63.7%(幾何平均値)であった。

※ 用法・用量外

本剤の承認された剤形は錠剤であり、承認された用法・用量は以下のとおりである。

  • 6. 用法・用量
    通常、成人及び12歳以上の小児にはベルモスジルとして200mgを1日1回食後に経口投与する。併用薬に応じて、効果不十分な場合に1回200mg1日2回投与に増量できる。
  • 7. 用法・用量に関連する注意(一部抜粋)
  • 7.2 プロトンポンプ阻害剤又は強いCYP3A4誘導剤との併用により、本剤の血中濃度が低下する可能性があるため、これらの薬剤を併用する場合は患者の状態に注意し、本剤の効果が不十分な場合には、本剤を1回200mg1日2回投与に増量することを考慮すること。[10.2、16.7.1-16.7.3 参照]

分布

(1)分布容積(外国人データ)5)

外国人健康成人男性5例に[14C]ベルモスジル溶液100μgを単回静脈内投与(15分点滴投与)したときのベルモスジルの定常状態の分布容積は53.2L(幾何平均値)であった。

※ 用法・用量外

(2)血漿蛋白結合率(in vitro6)

ベルモスジル(0.2~2μg/mL)のヒト血漿蛋白結合率は99.83~99.90%(in vitro平衡透析法)であり、主な結合蛋白はアルブミンであった。

(3)血球移行性(in vitro、外国人データ)7)

ベルモスジルのヒト血液/血漿中濃度比は0.71(in vitro)であった。

本剤の承認された剤形は錠剤であり、承認された用法・用量は以下のとおりである。

  • 6. 用法・用量
    通常、成人及び12歳以上の小児にはベルモスジルとして200mgを1日1回食後に経口投与する。併用薬に応じて、効果不十分な場合に1回200mg1日2回投与に増量できる。
  • 7. 用法・用量に関連する注意(一部抜粋)
  • 7.2 プロトンポンプ阻害剤又は強いCYP3A4誘導剤との併用により、本剤の血中濃度が低下する可能性があるため、これらの薬剤を併用する場合は患者の状態に注意し、本剤の効果が不十分な場合には、本剤を1回200mg1日2回投与に増量することを考慮すること。[10.2、16.7.1-16.7.3 参照]

代謝

(1)代謝酵素(in vitro8)

ベルモスジルは主にCYP3A4により代謝され、その他、CYP2C8、CYP2D6及びUGT1A9の関与が示された。

(2)代謝部位及び代謝経路(外国人データ、in vitro5,9)

14C]ベルモスジル200mg(カプセルによる投与)を単回経口投与後の血漿、尿及び糞検体を用いて代謝物検索を行った結果、血漿中の主な代謝物は、ベルモスジル、ベルモスジルグルクロン酸抱合体及び加水分解体(M2)/O-脱アルキルベルモスジル硫酸抱合体であった。尿中には主にベルモスジルグルクロン酸抱合体が、糞中には主にM2/O-脱アルキルベルモスジル硫酸抱合体、ベルモスジル、ベルモスジル一水酸化体が検出された(外国人データ)5)
加水分解体(M2)のROCK2阻害活性は、ベルモスジルの約1/8であった(in vitro9)

※本剤の承認された剤形は錠剤である

ベルモスジルの推定代謝経路

KD025m1 = M1、KD025m2 = M2、UGT:UDP-グルクロン酸転移酵素
*2つの化合物は分離できなかったため、両成分の合計を示した。

排泄(外国人データ)5)

外国人健康成人男性5例に[14C]ベルモスジル200mg(カプセルによる投与)を食後に単回経口投与したとき、投与216時間後までに投与された放射能の84.6%が糞中に、3.98%が尿中に排泄された(平均値)。糞及び尿中代謝物を検索した結果、糞中総放射能の約30%が未変化体であり、尿中には未変化体は認められなかった。

※本剤の承認された剤形は錠剤である

薬物相互作用

本剤は主にCYP3A4により代謝され、CYP3A、P-gp、BCRP及びOATP1B1に対する阻害作用を示すこと、本剤の溶解度はpHの上昇により低下することから、薬物相互作用試験において以下の結果が示された。

(1)リファンピシン(CYP3A4誘導剤)(外国人データ)10)

外国人健康成人32例にリファンピシン(経口剤)600mg 空腹時1日1回(1~9日目)とレズロック200mg 食後1日1回(10日目)を併用投与したとき、レズロックのCmax及びAUC0-∞は、本剤単独投与時と比べそれぞれ0.41倍及び0.28倍であった。

(2)ラベプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)(外国人データ)10)

外国人健康成人33例にラベプラゾール(経口剤)20mg(1~3日目は食後1日2回、4日目は空腹時1日1回)とレズロック200mg 食後1日1回(4日目)を併用投与したとき、レズロックのCmax及びAUC0-∞は、本剤単独投与時と比べそれぞれ0.13倍及び0.20倍であった。

(3)オメプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)(外国人データ)10)

外国人健康成人38例にオメプラゾール(経口剤)20mg 空腹時1日1回(1~4日目)とレズロック200mg 食後1日2回(4日目)を併用投与したとき、レズロックのCmax(投与1回目)及びAUC0-∞は、本剤単独投与時と比べそれぞれ0.32倍及び0.54倍であった。

(4)ダビガトランエテキシラート(P-gp基質)(外国人データ)11)

外国人健康成人19例にレズロック200mg食後1日1回(1~8日目)とダビガトランエテキシラート75mg食後単回(5日目)を併用投与したとき、ダビガトランエテキシラートのCmax及びAUC0-lastは、ダビガトランエテキシラート単独投与時と比べそれぞれ2.36倍及び2.15倍であった。

(5)ロスバスタチン(BCRP/OATP1B1基質)(外国人データ)11)

外国人健康成人14例にレズロック200mg食後1日1回(1~8日目)とロスバスタチン10mg食後単回(5日目)を併用投与したとき、ロスバスタチンのCmax及びAUC0-lastは、ロスバスタチン単独投与時と比べそれぞれ3.59倍及び4.62倍であった。

(6)エファビレンツ(中程度のCYP3A4誘導剤)12)

生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、エファビレンツ600mgを1~16日目に1日1回反復経口投与し、レズロック200mgを8日目に単回経口投与したとき、レズロックのCmax及びAUC0-∞は、本剤単独投与時と比べそれぞれ0.81倍及び0.65倍と推定された。

(7)ミダゾラム(CYP3A基質)13)

生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、レズロック200mgを1~14日目に1日1回反復経口投与し、ミダゾラム3mgを9日目に単回経口投与したとき、ミダゾラムのCmax及びAUC0-∞は、ミダゾラム単独投与時と比べそれぞれ1.32倍及び1.64倍と推定された。

(8)その他の薬剤

イトラコナゾール(CYP3A4阻害剤)(外国人データ)10)
外国人健康成人35例にイトラコナゾール(経口剤)200mg 食後1日1回(1~9日目)とレズロック200mg 食後1日1回(8日目)を併用投与したとき、レズロックのCmax及びAUC0-∞は、本剤単独投与時と比べそれぞれ1.20倍及び1.25倍であった。

ラルテグラビル(UGT1A1基質)(外国人データ)11)
外国人健康成人19例にレズロック200mg食後1日1回(1~6日目)とラルテグラビル400mg食後単回(5日目)を併用投与したとき、ラルテグラビルのCmax及びAUC0-lastは、ラルテグラビル単独投与時と比べそれぞれ0.87倍及び0.95倍であった。また、ラルテグラビルグルクロン酸抱合体のCmax及びAUC0-lastはそれぞれ0.58倍及び0.60倍であった。

カフェイン(CYP1A2基質)13)
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、レズロック200mgを1~14日目に1日1回反復経口投与し、カフェイン150mgを9日目に単回経口投与したとき、カフェインのCmax及びAUC0-∞は、カフェイン単独投与時と比べそれぞれ1.08倍及び1.58倍と推定された。

  • 6. 用法・用量
    通常、成人及び12歳以上の小児にはベルモスジルとして200mgを1日1回食後に経口投与する。併用薬に応じて、効果不十分な場合に1回200mg1日2回投与に増量できる。
  • 7. 用法・用量に関連する注意(一部抜粋)
  • 7.2 プロトンポンプ阻害剤又は強いCYP3A4誘導剤との併用により、本剤の血中濃度が低下する可能性があるため、これらの薬剤を併用する場合は患者の状態に注意し、本剤の効果が不十分な場合には、本剤を1回200mg1日2回投与に増量することを考慮すること。[10.2、16.7.1-16.7.3 参照]
  • 10. 相互作用(一部抜粋) 本剤は主にCYP3A4により代謝され、CYP3A、P-gp、BCRP及びOATP1B1に対する阻害作用を示す。また、本剤の溶解度はpHの上昇により低下する。[16.4参照]

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