
Dravet症候群の診断は、以下の臨床所見に基づく。
国内臨床試験で用いたILAEのDravet C.による診断基準を示しました。全ての項目が該当しなくても、臨床経過に基づいてDravet症候群と診断されます。
Dravet症候群は1歳未満に発症する難治性の小児てんかんで、早期診断が難しく、臨床症状が顕著にあらわれる3歳頃にはすでに悪化しており、気がついた頃には治療が遅れてしまうことがしばしばです。したがって、診断と治療をできるだけ早期に開始することが重要です。
1歳未満の熱性痙攣患児の場合、注意すべき初期臨床症状として、
(1)発作回数の頻度が多い、
(2)一側性の痙攣がある、
(3)遷延発作が長時間続く(10分以上)、
(4)入浴誘発発作がある、
(5)部分発作・ミオクロニー発作がある
場合には、Dravet症候群の可能性が高いと報告されています。
したがって、そのような場合には、Dravet症候群に詳しいてんかん専門医にコンサルテーションを実施して下さい。
Dravet症候群は、頻回のけいれん発作にもかかわらず、乳児期には特徴的な脳波所見を認めず、発症初期の脳波検査での診断は困難です。
幼児期になると、広汎性棘徐波や多棘徐波、又は焦点性棘波が出現するようになります。光過敏性や図形過敏性がしばしば認められ、反復光刺激や図形賦活(幾何学模様固視)により、広汎性棘徐波が出現してきます。なお、頭部画像検査や血液・尿検査において、疾患に特異的な異常所見は認めません。
Dravet症候群患者の70 ~ 80%の症例でSCN1A 遺伝子の変異が認められています。
Dravet症候群に特徴的な発作として、間代発作、強直間代発作、ミオクロニー発作、非定型欠神発作、複雑部分発作などがあります。
Dravet症候群の診断及び早期に治療方針を決定するため、患者又は家族へ毎日、発作日誌をつけるように指導して下さい。可能であれば、携帯電話又はビデオカメラを用いて発作時を記録するように促して下さい。
日誌には、発作が起きた時刻や回数・持続時間、発作の種類、薬の服用状況、副作用の発現などを記載するよう指導して下さい。
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鑑別すべきてんかん症候群及び関連発作性疾患として、乳児良性ミオクロニーてんかん、Lennox-Gastaut症候群、ミオクロニー失立発作てんかんがあります。
また、1歳頃までは熱性けいれんとの鑑別が難しく、発熱に伴い、けいれん重積状態をきたす傾向があること、また入浴による発作の誘発がみられることなどが、ミオクロニー発作出現前にDravet症候群を疑う所見です。
Dravet症候群の中核群、辺縁群については〈1. Dravet症候群とは〉を参照して下さい。鑑別診断が困難な場合は、Dravet症候群に詳しいてんかん専門医に相談して下さい。
乳児良性ミオクロニーてんかんは、乳児期に発症し、ミオクロニー発作を認めますが、発熱時にけいれんの重積傾向は認めないところがDravet症候群と異なります。また、発作予後、発達予後ともに良好であることからDravet症候群と鑑別されます。
Lennox-Gastaut症候群も小児の難治てんかんの一つですが、幼児期に発症することがDravet症候群と異なります。発達遅滞を伴いますが、中核をなす発作型として強直発作を認めることが特徴です。また脳波上、特徴的な緩徐性棘徐波複合やrapid rhythmを認めることで、Dravet症候群と鑑別されます。
ミオクロニー失立発作てんかんは幼児期に発症し、特徴的な発作型はミオクロニー失立発作です。ミオクロニー発作の直後に筋肉の緊張がなくなり、尻餅をついたり倒れたりします。意識ははっきりしているのですぐに立ち上がります。ミオクロニー発作や失立発作が単独でみられることや、発達遅滞をきたす 症例があることからDravet症候群と鑑別を要します。中核をなす発作型としてミオクロニー失立発作がみられること、部分発作がみられないことによりDravet症候群と鑑別されます。
進行性ミオクローヌスてんかんは、てんかん発作と不随意運動としての顕著なミオクローヌスを主症状とし、進行性の経過をたどる遺伝性疾患の総称です。大多数は知的退行や小脳失調など、進行性の神経症状を合併し、発作予後、知的予後ともに不良とされるが、含まれる疾患は様々で、合併する臨床症状 も多岐に亘ります。Dravet症候群で見られるミオクロニー発作、全般性間代発作又は強直間代発作さらにミオクローヌスなどが観察されるため、Dravet症候群との鑑別が必要です。進行性ミオクローヌスてんかんでは、視力障害や眼底異常など、それぞれの疾患に特有の症状や特有の検査所見を示すことから、 Dravet症候群と鑑別されます。
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